Artigo Acesso aberto

Longitudinal Change in Independence in the Elderly. Kahoku Longitudinal Aging Study(KLAS).

1994; The Japan Geriatrics Society; Volume: 31; Issue: 10 Linguagem: Inglês

10.3143/geriatrics.31.752

ISSN

0300-9173

Autores

Kozo Matsubayashi, Kiyohito Okumiya, Atsuhiko Kawamoto, S Kimura, Taizo Wada, Michiko Fujisawa, Yohei Doi, K Shimada, T. Ozawa,

Tópico(s)

Health and Well-being Studies

Resumo

老年者の日常生活機能を包括的に評価し, 老年者の機能衰退を最大限予防することを目的とする, 縦断的検診事業「香北町健康長寿研究」(KAHOKU LONGITUDINAL AGING STUDY; “KLAS”) の概要を報告した. 本研究は1990年に着手され, 高知県香北町 (人口約6,000人, 高齢化率32%) 在住の全老年者を対象としたものである. 65歳以上の全員に日常生活機能や社会生活状況, ライフスタイルに関するアンケート調査を行い, さらに75歳以上の老年者については, 包括的機能を中心とした検診を実施した. 65歳以上の全老年者にしめる日常生活動作 (ADL) 完全自立者の割合は1991年度 (71%), 1993年度 (74%) と, 2年間で有意の増加を示していた. また, ADL完全自立者の年齢階層別頻度の割合は加齢とともに低下するが, 1993年度は1991年度と比較して, その傾きはゆるやかとなっていた. とくに, 85~89歳, 90歳以上の年齢階層では, 自立者の割合が2年間で有意に上昇していた. 一方, 全老年者にしめる情報関連機能自立者の割合は, 1991年度 (58%), 1993年度 (58%) と2年間で変化は認めなかった. 情報関連機能自立者の年齢階層別の割合の低下は, 1993年度が1991年度に比してやはり緩慢とはなっているものの, ADLほど顕著なものではなかった. 毎年受診している75歳以上の後期老年者における神経行動機能の経年変化では, 2年間の間に一部の指標で成績の低下をみたものの, その差はわずかで, 指標によっては改善を示したものも認められた. 以上の結果から, 毎年の検診事業と結果を還元しライフスタイルを指導する啓蒙活動が, 老年者住民の健康意識の向上に貢献し, 加齢にともなう機能劣化を予防し得る可能性が示唆された.

Referência(s)