Factors Influencing the Seasonal Incidence and Breaking of Diapause in Carposina niponensis WALSHINGHAM
1961; Japanese Society of Applied Entomology and Zoology; Volume: 5; Issue: 4 Linguagem: Japonês
10.1303/jjaez.5.260
ISSN1347-6068
AutoresArinobu TOSHIMA, Kenpei HONMA, Sinzo Masaki,
Tópico(s)Coconut Research and Applications
Resumo1959年および1960年の7月から9月にわたってリンゴ畑からモモシンクイガの被害果を採集し,自然に近い条件下において成長を終わって脱出してくる幼虫の休眠率の季節的変化のありさまを調べた。その結果休眠幼虫は7月末から現われ始め,そののち次第に数を増して8月半ばには成熟幼虫の半数に達し,同月末にはほとんど全部の幼虫が冬繭を作って休眠した。その後不休眠幼虫は現われなかった。このような休眠誘起の季節的消長を支配している要因を知るために室内で幼虫発育期の日長時間の影響を調べたところ,これまでにあまり知られていない光週期反応の型が観察された。すなわち21°Cにおいては藤崎産のモモシンクイガの幼虫は15∼18時間の日長によってのみ休眠しないでさなぎになることができる。この限られた範囲外では長短いずれの日長下においても幼虫は全部休眠する。休眠決定の条件としての日長効果を感受するのは幼虫期に限られているが,幼虫期の中では特に敏感な令期を認めることはできなかった。温度も休眠誘起に影響するが,休眠阻止の作用は30°C以上の高温でないと現われないので自然界においては日長が主要な作用要因であると考えられる。休眠を終わるためには5∼15°Cの温度に2∼3ヵ月接触することが必要である。20°C以上の高温や0°Cに近い低温はいずれも休眠完了に不適な条件であると思われる。以上の結果に基づいてモモシンクイガの1世代目の幼虫の休眠率の年次変動について考察し,またこの害虫が休眠性に関して地域的に分化している可能性があることを既存の知見に基づいて指摘した。
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