Influence of the Polymerization Conditions on the Dilute Solution Properties of Polyacrylonitrile.
1967; Volume: 24; Issue: 270 Linguagem: Inglês
10.1295/koron1944.24.679
ISSN1884-8079
AutoresKenji Kamide, Hidehiko Kobayashi, Yukio Miyazaki, Chozo Nakayama,
Tópico(s)Conducting polymers and applications
Resumoポリアクリロニトリル (PAN) の希薄溶液物性に及ぼす試料の重合条件の影響を検討した。20℃におけるN, N'-ジメチルホルムアミド (DMF) 溶液について, 光散乱, 粘度測定を行なった。レドックス, または非レドックス触媒を開始剤として, 水溶液, または有機溶媒中でけん濁, または沈殿重合した分別物を試料として利用した。さらに, 重合温度の効果を調べるために, レドックス低温 (-20℃) 重合物を用いた。重合条件を変えても重合物の局部的立体規則性度は変わらないことを, あらかじめ高分解能核磁気共鳴吸収スペクトルによって確かめた。沈殿重合物のDMF溶液の屈折率の濃度依存性は他の重合物のそれより大きい。PANはかなり大きい見かけの偏光解消度ρu, apをもつ。ρu, apは分子量の増加とともに減少し, 重合条件によっても影響される。特に, 非レドックス系沈殿重合物 (ベンゼン溶媒) のρu, apは大きい。螢光を補正した偏光解消度は, 分子量, 重合条件によらず, 0.01~0.02に減少した。螢光を補正しないで得られたZimmプロットのc→0外挿線は, θの小さい領域で負となることがある。螢光を補正すると, ほぼ正常のZimmプロットが得られた。一般にHuggins係数k1は分子量 (Mw) の増加につれて増加したが, ベンゼンを溶媒とする非レドックス系沈殿重合物では, 低分子量側で逆に分子量の増加とともに減少した。PAN-DMF (20℃) について, 非レドックス系沈殿重合物 (ベンゼン溶媒) では,[η] (dl/g) =4.29×10-4Mw0.71他の重合物では,[η] (dl/g) =4.66×10-4Mw0.71が得られた。一方, 重心半径 (SS2) z1/2および第2ビリアル係数A2の分子量依存性は重合法に関係なく, 次式で与えられた。(SS2) z1/2 (cm) =1.27×10-9Mw0.62A2 (ml/gg2) =4.94×10-2Mw-0.27上述の各式の係数は互いに理論的関係を満足した。Stockmayer-Fixmanプロットの適用性を検討した。プロットの直線部分のMw1/2→0への外挿からFlory定数Kを求め, ベンゼン中沈殿重合物に対して, 3.1×10-3, 他の重合物に対しては3.6×10-3を得た。A2を0にする混合溶媒 (エチレンカーボーネート水溶液, 44℃) 中で粘度測定を行ない, 後者の重合物に対してKap=3.5×10-3を評価した。K以外の溶液パラメータを決定して, 粘度式だけが重合条件の影響を受けることを溶液理論より説明した。螢光は異種構造としてのアミド, カルボン酸, カルボン酸エステルなどの含有量には関係ない。レドックス重合物の螢光はイオン型で, 触媒残基が原因であるのに対し, ベンゼン中非レドックス重合物の螢光は非イオン型で, おそらくはベンゼン環を含む構造がその原因であると推論した。ベンゼン中非レドックス重合物の溶液物性が特異的であるのは, 分岐構造の存在や立体規則性度の変化からは説明できなくて, むしろ螢光構造と密接な関係がある。
Referência(s)