Formation of hydroxyl radical from the reactions of copper(II) Complexes with hydrogen peroxide.
1988; Chemical Society of Japan; Issue: 4 Linguagem: Japonês
10.1246/nikkashi.1988.459
ISSN2185-0925
AutoresT. Ozawa, Hirorni GOTO, Fumie Takazawa, Akira Hanaki,
Tópico(s)Free Radicals and Antioxidants
Resumo種々の銅(II)錯体と過酸化水素(H2O2)の反応によるOHラジカルの生成をチオバルビツル酸(TBA)を用いて調べた。検討した銅(II)錯体のうち[Cu(en)2]2+がH2O2に対し,もっとも高い活性を示した。しかも,Fenton反応として知られるFe2+-H2O2系よりもはるかに活性が高かった。しかし,ポリアミン-N-ポリカルボン酸配位子,EDTA,DTPA,EDDPあるいはEDDAを配位した銅(II)錯体とH2O2の反応ではOHラジカルの生成は認められなかった。これらの系にあらかじめ還元剤を共存させておくとOHラジカルの生成が認められたことから,ポリアミン-N-ポリカルボン酸を配位することにより銅(III)イオンは酸化還元電位が変化し,H2O2を酸化することができなくなり,反応が進行しなくなったものと推測される。一方,銅(II)-ペプチドないし-ヌクレオチド錯体ではH2O2との反応により,OHラジカルは生成されるが,その生成量は[Cu(en)2]2+とH2O2の反応の時よりもいちじるしく小さかった。これは,生成したOHラジカルがデオキシリボースに対し,ペプチドないしヌクレオチドと競争的に反応するためと考えられる。また,銅(II)-ヌクレオチド錯体の中ではCu(II)-ATPが最大の活性を示し,かつ活性の序列は銅(II)-ヌクレオチド錯体の安定度定数の序列(Cu-ATP>Cu-ADP>Cu-AMP)に対応しでいることが明らかにされた。
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